「保育園落ちた日本死ね!」のブログに端を発し、待機児童や保育士の処遇問題が話題となっていますね。
政府も保育士の処遇改善や保育の受け皿拡大に取り組む意向を示しています。そんな中、自民・公明両党が提出した待機児童解消に向けた対策に「保育コンシェルジュ」の機能強化という項目が含まれました。今回はこの聞き慣れない「保育コンシェルジュ」の意味について紹介させていただきます。
保育コンシェルジュとは?
保育コンシェルジュ事業は待機児童ゼロを目指す横浜市が2011年にサービスを開始、市内18区すべてに配置しました。
「保育コンシェルジュ」=保育サービスに関する専門相談員
公募により選ばれた、保育に関心があり子育てを応援したい人。市の非常勤嘱託員となります。保護者個々のニーズにあった情報を提供して、子育て支援サービスの向上や待機児童数の削減に成果を上げています。横浜市は2010年に待機児童数がワースト1位でしたが、2012年には政令指定都市中枢19都市の中で10位まで上昇。保育コンシェルジュがその一役を担っているんです。
では、保育コンシェルジュはどの様な業務にあたっているのでしょうか。
保育コンシェルジュの業務
保育コンシェルジュの先駆けである横浜市のホームページにその業務内容について紹介されています。
因みに平成27年からは「保育・教育コンシェルジュ」となりました。
■保育コンシェルジュの業務内容(出典:横浜市HP)
(1)保育サービス等の利用に関する相談業務
区役所窓口や電話等で、保育を希望される保護者の方の相談に応じ、個別のニーズに合った保育サービス等の情報提供を行います。地域子育て支援拠点や乳幼児健診会場など窓口以外での相談を実施している区もあります。(2)保育所に入所できなかった方へのアフターフォロー業務
保育所に申込みをされた結果入所できなかった(保留になられた)ご家庭には、保育・教育コンシェルジュからアフターフォローのご連絡をしています。お電話等でその時点での保育状況やご意向を確認しながら、代替保育施設等の情報をご案内します。 (注)入所できなかった場合のお子さんの預け先などのご予定が申込書などでわかる場合は連絡しないこともあります。(3)保育サービス等の情報収集業務
各ご家庭のニーズに合った情報をタイムリーにご案内できるよう、区内および近隣区の保育サービス等に関するさまざまな情報を集めています。
どの様な保育サービスがあるのか?
自分の生活スタイルに合わせて子供を預かってくれるところがあるのか?
などなど、保育についてわからないことや不安に思っていることを相談できます。初めての子育てで分からない事ばかりのママやパパにとっては頼りにできる存在ですね。
まとめ
待機児童や保育士の処遇についての問題は根が深い。同様に介護士等の介護関係職員も処遇や勤務体制に不満が大きく、離職率が高いと聞きます。保育や介護については、様々な意見がありますが、個人的には政府の介入により手厚い福利厚生が必要と考えます。少子高齢化が進む現在の日本。核家族化で地域のコミュニケーションも希薄となっているのだ現実ですからね。
特に初めての育児ではわからない事だらけ。相談できる相手も手を貸してくれる人も少ない時代です。そんな状況で、日々育児に奮闘するママやパパが保育園選びや保育サービスを把握するのには情報を収集できるコミュニティーやサービスが必要不可欠ですよね。
情報はネット検索でなんでも入手しやすくなってはいますが、個人の状況に合わせた的確な情報を手にするには難しい部分もあります。特に、転勤などで初めて暮らす街での子育てとなると不安ばかりが募るのではないでしょうか。そんな時、「保育コンシェルジュ」がいてくれれば、地域の情報もコミュニティーも紹介してくれるんです。どれだけ、心強いでしょうか。
様々な意見があります。でも個人的にはやはり、予算を組んで待機児童や保育機能の強化に舵をきってほしいと願うばかりです。